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フィンランドの基本情報

フィンランドの内務省が発行しているフィンランドに関するガイド「Life in Finland - Perustietoa Suomesta」が、インターネットで読むことができます。

興味のある方々は、下記のリンク先より観覧ください。

URL:Life in Finland - Perustietoa Suomesta

 

フィンランド―バルト海の乙女

フィンランドの首都は、1952年のオリンピック開催地として有名なヘルシンキです。面積は日本の9割(33万8145平方キロメートル)で、国土の1/4は北極圏内(北緯60〜70度)にあります。西にスウェーデン、北にノルウェー、東にロシアと国境を接し、バルト海上にフィンランド自治領アハベナンマー(オーランド)諸島があり、フィンランド湾を挟んでエストニアが望んでいます。 広大な面積に比べて、人口は約520万人と少なく、人口密度は平方キロあたり17人です。森と湖の国として謳われてきたとおり、国土の10パーセントが湖(約18万湖)で、その大部分は東南部の湖水地方に存在しています。細長くくねりながら連なる帯状の水路は、氷河によって滑らかになった古代の岩盤や、小規模な隆起や、氷河の底を流れる水流によって生成された堆積物(エスカー)などで入り組んでいます。

フィンランド語はウラル山脈に端を発するウラル語族のフィン・ウゴル語系言語であり、世界で2300万人に話されている希少な言語です。EU加盟国言語のほとんどを占めているインド・ヨーロッパ語族とは異なり、母音優位、母音調和、子音交替、格変化といった特徴を持ち、同系にハンガリー語やエストニア語などが含まれます。

再生可能な天然資源に恵まれ、とくに森林資源(広葉樹:松、トウヒ、白樺、国土の70%が森林地帯)はロシア、スウェーデン、ドイツに次いでヨーロッパで第4位です。製紙・木材・パルプの輸出は、全体の1/4を占めています。また、公私有地を問わずにフィンランド人なら誰でも土地の恵み(散策、茸・花摘み)を享受する権利を持っており、そのため環境保護義務も伴います。173の湿地帯が保護地域に指定され、1998年に採択されたNatura2000保護プログラムで国土の12%が保護地に指定され、2002年世界経済フォーラムの環境可能指数で142ヶ国中1位となり、2003年の国連世界水開発レポートでは、世界一水がきれいな国として評価されました。

北極夜(kaamos)

世界の極北に位置するフィンランドは、一年のうちに半年間は積雪し、長い冬に包まれます。北極圏以北のラップランドでは、地平線上に太陽が姿を現さない「北極夜(kaamos)」が約52日間続き、気温も氷点下30度以下まで下がることもあります(かつて氷点下50度を超えて、北方地域の水道管が凍ってしまって大変なこともありました)。ヘルシンキなど南部フィンランドでは、短くても6時間の日照時間がありますが、僅少の太陽の光が健康に及ぼす影響も懸念されています。

8月も終わりに近づくと、日照時間がぐんと短くなり暗闇も濃さを増します。降雪前の暗闇は多くのフィンランド人にとって鬱と疲労の時期となり、乏しくなる光の影響で精神的に障害(季節性感情障害)が起こることをカーモス・ストレスと呼んでいます。この症状を解消するために、光療法が取り入れられています。太陽光と同様の働きをもたらす照明を、職場や自宅で使うことによって健康的に生活を送ることができるというわけです。

暗闇に包まれた寒くて長い冬に、煌めく光を灯してくれるものがあります。天空をしなやかに明滅するオーロラです。まるで、星たちの重みで夜空が落ちてきてしまいそうなほど、天の浮標のように星たちは煌めき、空の書き割りのようにしなやかに焔立つオーロラ。その昔、大きな狐がラップランドの丘陵を尻尾で打ち叩き、その弾みで爆ぜた火が狐火(オーロラ)になったといいます。冬の音は根雪に埋もれてしまったかのようにしんと静まり返ります。すると、耳を澄ませば、極光の華奢な金属音が聞こえてきそうになります。また、地平線の輪郭をなぞる太陽の炎にも泡沫の美しさがあります。炎の欠片は、燃えたオレンジ色に空を染め、数時間後にはリラの言い知れぬ美しい紫色を残します。

文 © Hiroko Suenobu
参考文献:
FINFO FINLAND FACTSHEET
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